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デイサービス長老大学のブログ

高齢者が若者を支える。高齢者と共に未来を創る。逆支援型デイサービス 長老大学 のブログです。

参考書紹介(3)『マーケット感覚を身につけよう』 長老大学が提供する価値とは何か?

思うこと 本の紹介

こんにちは。

デイサービス長老大学 代表の澤本洋介(@sawamoto482)です。

今日は、長老大学の基本テキスト紹介第3弾として、「マーケット感覚を身につけよう」をご紹介します。

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法


本書はこれまでにご紹介してきた「治さなくてよい認知症」「驚きの介護民俗学」とは違い、高齢者介護に直接関係する本ではありません。

しかし、デイサービス長老大学の大きな目的の一つである「高齢者の皆様との価値共創」を考えるうえでの大きなヒントになると考え、スタッフ研修等に利用させていただいています。

 価値に気づく能力

本書では、潜在的な価値(誰にも価値があると思われていないものの価値)に、いち早く気づき市場化できる能力などを、これからとても重要になってくる「マーケット感覚」として説明しています。

「本当は価値があるのに埋もれてしまっている資源を掘り起こし、売れるようにする。」

未利用魚を活用した漁港のレストランなどが思い浮かびます。
今まで値段のついていなかったものを売ることができたとしたら、利幅も大きく、先行者利益も大きそうです。

介護分野における潜在的な価値

長老大学では、介護施設の持つ潜在的な価値のひとつとして「ご利用者さんの語り」に注目しています。

特に認知症の方の、何度も何度も繰り返す語りなどは、相手にされず聞き流されてしまいがちですが、私達はそこに宝があると考えています。

高齢者の語りが宝ということがピンとこないという方に説明したいと、以前に孫正義さんを例に記事を書いたことがあります。

孫さんは特別な方ですが、普通の方のお話であっても、それに価値を感じる人のところに届けられたら大きな意味があると私は思っています。

成功者だけでなく、ご苦労された方のお話にも価値があるでしょう。

自給自足的な暮らしに憧れて高知に移住した長老大学相談員の太田さんには、昔の田舎暮らしのお話が宝です。

戦争体験をお聞きして、語り継ぐことも、介護現場が持ちうる大きな価値だと思います。

先日、長老大学で、昭和50年頃に2進法の0と1だけでコンピュータープログラムを組んでいたというご利用者さんのお話を聞き書きしました。

2進数を使うのはめんどくさいもんじゃ。
換え方を覚えんといかん。それでだいぶあずった(困った)。
できだしたら当たり前になるけんど。
2進数が底辺にあって、その上にプログラムがある。
1いうたら1よ。単なるね。ただ、その1の考え方がall。
全てを表すということもある。
10の場合がある。100の場合もある。

私にはさっぱり意味がわかりません(笑)
しかしプログラマの友人にはこの話にとても興味があるそうで「直接会ってその頃の話が聞きたい」と言われました。
自分には分からない話でも、それを面白いと思っていただける人に届けられたら、それは大きな価値だと思います。

 

高齢者の皆様のお話には、学術的価値・教育的価値・社会的価値・経済的価値などの様々な価値があると私は思っています。
そして、嬉しいことに、長老大学の職員達は価値に気づく能力が高く、誰も気がついていなかった宝を次々に発見してくれています。

 

昨年は、ご利用者さんへの聞き書きを元に開発販売した車いす対応ダイニングテーブルの販売にチャレンジしました。

 売り上げはまだまだ少ないですが、介護施設が介護報酬だけでなく高齢者の皆様との協働により「市場から利益を生み出せた」という実績については、大きな意味があったと思っています。

デイサービス長老大学が提供する価値とは何か?

本書『マーケット感覚を身につけよう』 では、取引されている「モノ」と、取引されている「価値」の違いについて、お米や自動車など身近な例をあげて説明してくれています。

自分が売っている商品名は言えても、売っているものの価値を正しく認識できていない人はたくさんいるのです。 このことは、自動車という商品で考えれば、よりよくわかるはずです。軽自動車を買う人と、フェラーリやジャガーを買う人は、求めている価値がまったく異なります。高級車を買う人たちが求めているのは、「歩くには遠すぎる距離を、楽に移動できる価値」や、「持って運ぶには重すぎる荷物を、簡単に運搬できる価値」ではありません

あらためて、デイサービス長老大学がご提供したい価値とは何か?を考えてみました。
長老大学のミッションステートメントを「価値」という視点から読み返してみます。

・ご利用者が「人の役に立つ充実感」を実感し、元気になるデイサービスをつくりたい

・ご利用者と共に世の中に新しい価値をつくりたい(経済的価値・教育的価値・社会的価値など)

・長老大学の取組みを広げ、高齢者が尊敬され、長寿を心から喜べる社会をつくりたい

デイサービス長老大学 | 長老大学 高齢者と共に未来をつくる。「プロジェクト長老大学」のWEBサイト

 

ここには、ご利用者さんへご提供したい価値と、ご利用者さんとともに社会へご提供したい価値との2層あることに気がつきました。

  1. ご利用者さんへ「人の役に立つ充実感」「元気になれる」という価値をご提供したい。
  2. ご利用者さんと共に、社会へ「ご利用者さんの持つ知識や経験・それを活かした製品やサービス」をご提供することで、「長寿を喜べる・老いへの希望」という価値をご提供したい。

整理するとこのようになるでしょうか。

他にも、たくさんあるようにも思いますので、じっくり深掘りして考える必要がありそうです。

マーケット感覚を身につけて変化を楽しむ

介護事業は市場から遠く離れた制度ビジネスでしたが、その制度自体が崩壊しつつあります。
大きな変化がもう起こりはじめ、嶺北地域の介護環境も大きく変わってきました。
閉鎖する事業所も続々とあらわれ、不安を感じている介護職の方も多いでしょう。
誰よりご利用者さん達が大きな不安を感じておられるだろうと思います。

マーケット感覚を身につけることの最大の利点は、それさえ身につければ、変化が恐くなくなるということです。今、急速に進む社会の変化を目の当たりにした人たちは、大きくふたつのグループに分かれ始めています。ひとつは、ワクワクしながら自分自身もその変化を楽しんでいる人、もうひとつは、日々伝えられる変化のニュースに不安を深め、どうやって自分と家族を守ろうか、戦々恐々としている人たちです。

 

次回の介護報酬改定では、長老大学のような小規模デイは存続さえ難しくなるのではと予想されています。
不安を感じておられるご利用者さんやご家族に寄り添うためにも、私達は市場へのチャレンジを繰り返してマーケット感覚を磨き、変化をワクワクと楽しめる強さを持ちたいと考えています。

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法