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デイサービス長老大学のブログ

高齢者が若者を支える。高齢者と共に未来を創る。逆支援型デイサービス 長老大学 のブログです。

介護職の子どもは大学に行けないのか?

介護労働環境 思うこと

こんにちは。
デイサービス長老大学 代表の澤本洋介(sawamoto482)です。
今日は、自分事としても大きな関心がある「介護職の子どもの教育」について考えてみます。 

「介護民俗学」を実践する: デイサービス「長老大学」に聞く、田舎の小さな介護事業所が生き残る道 (イケハヤ書房)

介護の場合、頑張って仕事していても、こどもを大学に行かせることは難しいんですよ。
奨学金も選択肢としてはありますが、ほとんどの場合、借金になってしまいますし。
かといって、親が介護の仕事をやめて、この土地から離れるのも、本人にとっては不本意かもしれません。
個人的には、時代の流れ的にも「大学に行かなくても、強く生き抜けるような力を持てるようになる」ことに、最近は関心があります

「介護民俗学」を実践する: デイサービス「長老大学」に聞く、田舎の小さな介護事業所が生き残る道 (イケハヤ書房)

介護職の子どもは大学に行けない?

皆様もご存知の通り、介護職の給与水準は低いところにあります。
そのため、子どもを大学に進学させることは難しいです。
特に、地方からの進学となると、とても難しいです。

介護職の子どもが進学を希望する場合、奨学金制度を利用することがほとんどと思いますが、日本の奨学金の実情は「借金」です。

一般に、高等教育を受けることは将来の選択肢を広げると言われます。
しかし、奨学金により将来の選択肢を狭めてしまう場合もあります。

借金があるため結婚できないという問題も増えているようです。
個人的には、借金を返すために「稼ぎ続けなければならない」ことも辛いように思います。
田舎に移住したかったり、低収入でもやりがいのある仕事(例えば介護職)に就きたいと思っても、借金のためにその自由が制限されるとしたら辛いです。

連帯保証人の責任もとても重たいです。

 

一方で、日本は学歴社会でもあります。
学歴が低いほど収入も低いというデータがあります。

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平成27年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
 

この格差は今後広がり続けるという予想もあります。

貧困の連鎖から抜け出すためにも、子どもが望むなら大学に行かせてあげたい。
けれども、若くして借金を背負わせてしまうことも不安。

子どもの「大学進学」は、介護職の家庭にとって、大きなジレンマです。
子どもの進学のために親が介護の仕事を辞めたり、稼げる都会へ出て行ったりという家庭も多いでしょう。


国には、給付型奨学金制度の拡充などを求めたいです。
私たちは、私たちででできることを考えたいとも思っています。

「楽しく生きる力」を身につけて欲しい

月並みな表現ですが、子ども達には「生きる力」を身につけて欲しいと思っています。

生きる力とは何なのか?

英語?会計?プログラミング?サバイバルスキル?

私の経験では、

・パートナーや家族(的なもの)をつくる力
・稼ぐ力
・心と体の健康を守る力

こんなところが、個人的には大事と思っています。

とはいえ、一人でも、稼がなくても、楽しく生きる人も大勢おられます。
健康も命も惜しくないほどに、何かに生きる人もおられます。
親の価値観とは違う、自分にとっての「生きる力」を見つけることが大事なのかもしれません。

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

 

 

最近、「非認知能力」と呼ばれる気質や性格的特徴のようなものが「生きる力」にあたるという話を聞きました。

◎目標を達成するための「忍耐力」「自己抑制」「目標への情熱」
◎他者と協力するための「社会性」「敬意」「思いやり」
◎情動を抑制するための「自尊心」「楽観性」「自信」

幼児期から育成したい! 「非認知能力」とは?【前編】|ベネッセ教育情報サイト


なんとなく、納得感のある言葉が並びます。
たとえ大学に進学させてあげられなかったとしても、地域活動などを通じて、こうした力は育んであげたいと思っています。

学びのチャンスは広がっている

私は東京都町田市にある和光大学を1999年に卒業しています。
高知の方にわかりやすく説明すると、沢田マンションのような雰囲気の大学でした。

大学での学びは、高校までの「正解がある問題の解き方を先生に教わる授業」から、「正解がわからない問題を皆で考えるゼミ」へと変わり、とても刺激的で、今の仕事にも役立っています。

このような学びの機会は、以前は大学以外にはとても少なかったと思います。
最近はインターネットを活用した自主ゼミも広がりつつあるようです。

大学の講義もネットで公開されることも増えてきました。
専門分野を系統的に学ぶチャンスも大学以外に広がるだろうとも思っています

最近隣町の土佐町に移住してこられた木村すらいむさんの文脈ゼミがとても面白そうで注目しています。

このような学びカタチの変化は、私にとっては心強くもあり、ワクワクしています。

大学進学以外の選択肢を考える

私の上の子も、あと10年しないうちに大学進学を考える年齢に達します。

満期で数百万円の学資保険には入っていますが、大学へ進学するとしたら全く足りません。
たとえ国公立だとしても奨学金のお世話にならざるをえないでしょう。
子どもの望みは叶えてあげたいですが、経済的にムリなこともあるということは今から話しています。

自分が親から与えてもらった教育を子どもに与えられないことには申し訳なく思いますが、時代の変化もとても大きいです。
代わりに与えられるものがないか、試行錯誤しているところです。


進学に使う数百万円というお金と4年間という時間があれば、できることも沢山あります。

 

専門学校も良いでしょう。
海外へ旅もできます。
好きな街に引っ越せます。
映画を見まくることもゲームしまくることもできます。
図書館に入り浸れます。
会社も作れます。
就職してお金を稼いで、大学に進学することもできます。

もちろん、覚悟を決めて奨学金を借りて大学進学することもできます。
借金は大変ですが、借金からも多くの事を学べます。


私にはありきたりのことしか思いつきませんが。
できることは沢山あると思うので、子どもには今のうちからゼロベースでじっくりと考えて欲しいです。

イケダ:うちもこども2人いますが、とはいえ、楽観的ですね。ぼくの場合は。そもそも大学行く必要あるのか?という感じもしますし。

 

澤本:えぇ。大学の授業がネットでみれる時代ですし、学びの形も多様化してきますので、なんとでもなる部分もありますよね。
ともすると暗い現状ですが、未来を先取りしていると考えて、生きる力を育ててあげたいな、と思っています。

「介護民俗学」を実践する: デイサービス「長老大学」に聞く、田舎の小さな介護事業所が生き残る道 (イケハヤ書房)

大人になっても学びつづけてほしい

学ぶことは役に立ちますし、とても楽しいことです。
学力はできるだけ身に着けてほしいですし、大人になっても、学びの時間は大切にしてほしい。

介護でも、どんな業界であっても資格試験に追われる時代ですが、資格試験以外の勉強をする時間を持っていてほしい。

 

そういう習慣を持っていれば、たとえ低学歴でも、たとえ低収入の仕事に就いたとしても、自分の人生を切り開く力を持って、強く楽しく生きられるだろうと、私は考えています。